堀明子詩集『四季の色』

小学校3,4年生のとき自習用ノート14冊に
書かれた200篇(ぺん)あまりの詩を中心に1989年
の夏 編(あ)まれました。

(一つ一つの詩があなたのいのちです。
もし 一つの言葉を赦(ゆる)されるなら
ありがとう 明子
とあなたに伝えることを赦してください。
父と母とあなたの愛した弟より)

・堀明子さんの詩に出合った時には、その感受性の
やわらかさと、観察の細かさ、素直なことば遣(つか)い
に驚(おどろ)いた。   (『天声人語の七年』白井建策氏)

・草や花たち そのすぎゆく時への共感や愛情など
無心な子供の心にそんな細やかさで映るのかと
息をのむばかりでした。   (作家 辻 邦生氏)



十一月二十二日
四季の色

ももいろと
若草色の春がきて
うららかな日々が
楽しくすぎてゆく

えんじいろと
マリンブルーの夏がきて
木々のみどりが
こくなってくる

もみじいろと
黄金色の秋がきて
実りの日々は
とぶようにすぎてゆく

純白と
ゆうやけ色の冬がきて
こごえながら
日々がすぎてゆく

からすうり点描 堀明子 中2

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